こんにちは。
ベースボールバイブルの東です。
ついに今日、レッドソックスが世界一に輝いたんですが…
今日はその強さの理由をお話しさせていただこうと思います。
先月、BS1で放送されたワールドスポーツMLBの中でMLB公式アナリストのマイク・ペトリエーロ氏はレッドソックスの強さはその強力な打線にあるとおっしゃっていました。確かに今シーズンの得点は876(MLB最多)ですからね。素晴らしい打線です。その素晴らしい打線の1番を打つのはムーキー・ベッツ選手。彼は今シーズン、打率.346で首位打者を獲得しただけではなく、ホームランを32本打ち、盗塁も30決めたんですね。はい、もうおわかりだと思いますがベッツ選手はMLBでトリプルスリーを達成してしまったんですね。
また、クリーンナップを打つJ.D.マルティネス選手は130打点で打点王を獲得しただけではなく、打率は.330(ア・リーグ2位)、43本塁打(ア・リーグ2位)の大活躍だったんですが…
実はこの好成績は今年監督に就任したコーラ監督の改革にあるとペトリエーロ氏は言うんですね。では、コーラ監督はどんな改革をされたのかと言いますと…
1つは早いカウントから打つことだったそうです。
これは今のMLBではなかなか難しい改革なんですね。なぜなら今の野球界では出塁率を高めることが求められます。現に『OPS』という指標は出塁率と長打率を足したものですからね。ということはバッターは四球を多く選ぶことも求められるわけです。となると早いカウントから打ちに行くのはなかなか勇気がいりますよね。ところが実はその戦術がバッターにとって不利なカウントを招いしてしまい、相手ピッチャーの決め球や難しいコースのボールを打たなければいけないという状況につながっていたわけです。
そこを改革したのがコーラ監督だったわけですけど…。実はコーラ監督って昨年はアストロズのベンチコーチを務めていた人なんですよ。要するにコーラ監督はこれで2年連続世界一になったんですが、そのアストロズは出塁率以上に長打率を重視した方針で世界一に輝いていたんですね。
まあ、バッターによって求められる役割も違ったかもしれませんが、今シーズン好成績を残したベッツ選手やJ.D.マルティネス選手は比較的自由に打たせてもらっていたんじゃないでしょうか。
「打てると思ったら見逃すな!」
良い方針ですよね^^
ついでに言っておくと初球スイング率は22.9%(2015年)→20.7%(2016年)→20.8%(2017年)→26.9%(2018年)となっていて2017年と比べると6.1%も上がっています。
それから2つ目の改革は『ボールを強く叩く』というものでした。
このフライボール革命が叫ばれる時代にコーラ監督はボールを強く叩くことにこだわりフライを減らすことにしたのです。
ところがですね…
J.Dマルティネスという選手はフライボール革命によって出てきた選手と言っても過言ではないような選手だったんです。まあ、ぜひそのバッティングフォームの変化を見てみてください。
まあ、こうやってフライを打つことでここまで偉大なバッターになったJ.D.マルティネス選手なんですが、今年はハードヒットにこだわったんですね。
あっ!
MLBでは打球速度が95マイル(152キロ)を超えると「ハードヒット」と呼ばれるんですが、要するにJ.D.マルティネス選手は今シーズンは95マイル以上の打球を打つことにこだわったということです。
そこで、今日はこの数字を見てもらいましょうか。
これはJ.D.マルティネス選手の今シーズンのバッティングの指標なんですが…
ややこしいと思いますのでとりあえず2つだけ見てみてください。
左にある赤い丸の部分を見ると2017年はGB(ゴロ)が38%だったんですが2018年は44.7%に増えています。そして、2017年に31.8%だったFB(フライ)は25.6%(2018年)に減っているのがわかりますね。ちなみにLD(ラインドライブ=ライナー)は24%(2017年)から27.7に増えています。(※ラインドライブというのをドライブした打球だと思っている日本人が多いようですがラインドライブというのは日本で言うライナーのことなので間違えないでください)
そして右下にある赤い丸の部分にはハードヒット率が書かれています。要するに95マイル以上の打球が打てた確率ですね。それを見ると今シーズン(2018年)ついに50%超えを達成して52.1%という数字を残しているのがわかります。実は50%を超えるバッターというのはMLBの中でも30人くらいしかいないと言われていますからね。打球速度という面でもJ.D.マルティネス選手が偉大なバッターの仲間入りを果たしたということです。
まあ、要するにJ.D.マルティネス選手はフライを打つことで才能が開花し、ハードヒット(打球速度95マイル以上)を心掛けたことでさらに才能が磨かれたんですね。
ですから私はフライを打つことに夢中になっている人たちを見て、過去にこんなツイートをしています。
ゴロが長打になる確率は数%。時代はフライボール革命。ただ158キロ以上の打球が打てないと良い角度で打ててもバレルゾーンとは言わない。フライを打つことに夢中になり打球速度を置き去りにすると危険です。
楽天オコエ“35度”打つの アッパースイングでアーチ量産へ https://t.co/UpoEoRbq8d
— ベースボールバイブル (@PROSHOP_AZUMA) 2018年2月9日
続)大学生の時にすでに打球速度の大切さに気づいているのがオリックス・吉田正尚選手の素晴らしさ。この時点(大学生)で少し感覚を変えてますからね。まあ、本当にホームランを打ちたいと思って真剣に練習していたら打球速度の大切さに気付くものだとは思いますが…https://t.co/Xr3zCjzkgi
— ベースボールバイブル (@PROSHOP_AZUMA) 2018年2月9日
アーロン・ジャッジ選手が出した2017年の最高打球速度は190キロ。ただ平均打球速度は158キロ。もちろん凡打もあるがあれだけのスイングをする選手の平均が158キロという事実。しかもこれがMLB最高。ところで日本には158キロを出したろと思ってバッティングしている選手はどれくらいいるのだろうか?
— ベースボールバイブル (@PROSHOP_AZUMA) 2018年2月9日
この打球が155キロ。フライボール革命は日本の野球を変えてくれるかもしれないとワクワクするが日本人が150キロ超の打球をガンガン打てるようになるのかと考えると…。でも本気でフライボール革命と言うのであればしっかりと打球速度とも向き合ってほしい。決して甘くはないhttps://t.co/AAlgX4kVan
— ベースボールバイブル (@PROSHOP_AZUMA) 2018年2月9日
打球速度を上げるにはスイングスピードを上げるだけではダメでミート力も必要になる。まさに強さ×精度。ゴロを打たずフライを打つ。昔の野球を否定する耳障りの良い言葉だが歩いてる道は大変な道である。ほとんどの選手が挫折するだろうが歩きがいのある道だとは思う。まあ挫折しても別の生き方がある
— ベースボールバイブル (@PROSHOP_AZUMA) 2018年2月9日
さらに面白い話があるので次はムーキー・ベッツ選手の打撃指標を見てみましょう。
彼の指標を見るとですね彼はハードヒットを心掛けたらフライが増えたんですよ。2017年に21.7%だったFB(フライ)がですね、今シーズン(2018年)は31.6%に急上昇。41%だったGB(ゴロ)は34.3%に急降下。面白いですよね。ちなみにLD(ライナー)は24.7%(2017年)が26.5%(2018年)と微増だったようです。
そしてハードヒット率を見てみると…
急激に上がってますよね。30%台だったハードヒット率が50%を超えちゃったんですから。でも、これはフライを打ちに行っての結果ではないと思うんですよ。ハードヒットを心掛けたらフライ率が上がって、結果的にホームランも増えちゃった、みたいな…。こういう面白いことがあるので私はフライを打つことに夢中になるよりも打球速度をあげることに夢中になった方が良いんじゃないかなと思っています。まあ、もちろんそのバッターのタイプにもよりますけどね。
さあ、この話をまとめますと…
今日、世界一になったレッドソックスが世界一になるまで勝ちまくれた(シーズン108勝)大きな理由は出塁率よりも長打率を重視して早いカウントから積極的に打ちに行き、フライを打つことよりもハードヒットにこだわったからだという説があるということです。
まあ、ぜひ参考にしてください。
では、また。
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