バッティング

【3年前のあの選手】あの時点では活躍するのは難しいと感じた理由

こんにちは。
ベースボールバイブルの東です。

今日はちょっと昔話をしましょうか。

2015年8月29日に僕はこんなツイートをしました。

あの当時、仙台育英の選手として大活躍していた平沢選手はもうすでに甲子園のスターになっていました。それだけではなく、多くの野球解説者たちからも絶賛されていたんですね。その賛辞がリップサービスなのか本気で言ってるのかわからなかったんですが、僕はどう見ても彼がプロで打てるようには見えなかったんです。

その後、プロ野球選手になってオープン戦が始まった頃にこんな記事が出ました。

<オープン戦:ロッテ4-3オリックス>◇13日◇QVCマリン

ロッテのドラフト1位平沢大河内野手(18=仙台育英)の2軍落ちが決まった。試合後、立花、堀、松山の3コーチから通告を受けた。

「今のままでは通用しない。今やっていることを継続してやって、土台を作って戻ってきたい」と、話した。

収穫を得ての再出発でもある。オープン戦6試合12打席目に初安打を放った。7回先頭でカウント2-2からの6球目、見逃せばボールの平野のフォークをうまくすくい上げ右前に運んだ。「バットに当たってくれて1本出て良かった。1軍にいられていい経験をさせてもらいました」と、前向きにとらえ出直しを誓った。

ロッテ1位平沢2軍落ち「今のままで通用しない」|日刊スポーツ

ですから次はこんなツイートをしたんです。

まあ、今でも覚えてますが本当に当時はかわいそうだなと思いながら見ていました。ただ、あの大御所も大絶賛していたわけですから騒がれるのも仕方なかったのかもしれませんが…

でも、今だから当時の僕が言いたかったことを言ってしまうと彼はボールコンタクト率が異常に低かったんですよね。打席に立っているところを見れば見るほどそれを感じている自分がいました。しかも彼の場合、それはしっかり数字にも出ていて、甲子園での成績が春が9打数2安打、夏が25打数6安打。合わせてみると34打数8安打で打率は.235で三振は『6』。夏の地方大会でも17打数3安打で打率.176。それでもパンチ力はあったんですよね。ほれぼれするようなホームランを甲子園で3本打っていました。

でもですよ、プロ野球のピッチャーというのは高校生とはレベルが違います。それなのに当時の状態でプロのピッチャーのボールに対してしっかりコンタクトできるのかって考えたら「できるわけない」と考えるのが普通ですよね。

こういう話を聞くと「そりゃあレベルが違うのはわかってるよ。そんなもん慣れたらなんとかなるやろ!」みたいに言う人がいるんですけど…。まあ、もちろんある程度慣れれば見極められるようになりますし、当たるようにはなるんですけど、それでもボールコンタクト能力をある水準まで上げるのって大変なことなんですよね。

しかもですよ!

平沢選手の場合は打ち方は完璧だという評価だったわけですからね。

これ、どういうことかわかります?

ぜひ、形を変えずにボールコンタクト能力を上げることにチャレンジしてみてください。それがいかに難しいことかわかると思います。ですから僕は変えずに変える(打ち方を変えずにボールコンタクト率を変える)なんていうことができるのかなと思ったわけです。

で、もうちょっと具体的に言うと僕は彼の打つまでの部分を変えた方がいいんじゃないかなと勝手に思っているんですが2017年の時点ではそういう変化はありませんでした。で、実際にその数字を見てみると…

1軍では打率が1割台。2軍でも197打数45安打で打率は.228。三振数は『52』だったようです。彼の成績を見てもうお分かりになっていると思いますが彼は安打よりも三振の方が多いんですね。でも、今年から打撃コーチは金森氏になったそうなので彼のバッティングがどう変わるのか注目しています。

まあ、彼の話はここまでにしておいて…

僕自身はこの話は素晴らしいモデルケースだと思っていまして…。誰が見ても美しいスイングを持つというのはもちろん素晴らしい武器になるとは思うんですが、それでもその打ち方で自分のボールコンタクト能力が上がってこないんだとしたらその打ち方はどれだけ美しかったとしても自分には合っていないと考えるべきである、と。そして、誰からも美しいと褒められるそのフォームを捨てる勇気を持て、と思っているわけです。

ちなみに参考までに言っておくと昨シーズン首位打者を獲った横浜DeNAベイスターズの宮﨑選手は2016年の時点でストライクゾーンコンタクト率が95%を超えていたそうですからね。ボールゾーンコンタクト率でも80%近く…。そして2017年の成績を見てみると彼の三振数は523打席も打席に立ったのにわずか『47』なんですね。これはイチロー選手のレベルです。もし、時間があれば先ほどの平沢選手の1軍での成績を見てください。彼は129打席で『40』の三振をしていることがわかると思いますが、ここにもボールコンタクト能力の違いが現れているんですね。

もちろん何を目指すかは人それぞれですが、こういう現実を知っておくのもいいのではないでしょうか。

まあ、参考まで。

では、また。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でベースボールバイブル出版をフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 試合でバックハンド(逆シングル)を使うための基準はクリアできてますか?
  2. 【海外の練習から学ぶ】動ける外野手になるための練習とは?
  3. 井の中の蛙が野球界で生き残るのは難しい…
  4. 【MLBのコーチから学ぶ】スーパープレーは地道な練習から生まれている
  5. バレルゾーンに入れるためにバットをどう扱っているのか?
PAGE TOP