こんにちは。
ベースボールバイブルの東です。
フットブレインという番組に脳科学の研究をされている方が出たことがあるんですが、その内容が面白いので紹介させていただきます。
そもそも、その方が言うには…
日本人の脳というのは世界で一番失敗を嫌う脳を持っているそうなんですが、これに関係しているのがドーパミンレセプター(ドーパミン受容体)。
ドーパミンというのは快感や幸福感を与える神経伝達物質で、そのドーパミンと結合して脳に情報を伝えるのがこのドーパミンレセプター(ドーパミン受容体)なんですが、このスイッチの入り方が人によって違うそうです。
どう違うのかというとスイッチが入りやすい人(ドーパミン受容体機能が高い人)は少しのドーパミンで楽しい気分になることができたり満足することができるんですが、スイッチが入りにくい人(ドーパミン受容体機能が低い人)というのはたくさんのドーパミンが必要なのでどんどん新しい刺激を求めたり、リスクをとったり、チャレンジをしないと満足ができない脳になっているそうです。
では、満足を感じにくい人の割合を世界的に見てみると…
南米は40%、アジアは10%以下、その中でも日本人は最も少なくて1%未満。つまり日本人の性格というのは…
要するに日本人というのはチャレンジしなくても満足できる民族、別の言い方をすると失敗しないことで満足を感じる民族だそうです。
一方で南米の人たちというのはチャレンジしないとストレスを感じるんだそうです。チャレンジできない状態では「なんのために俺は生きてるんだ!」と感じてしまうんですって。
そして、それはスタジアムで応援している観客の人たちも同じで、例えばサッカーではシュートを打ったけども外してしまうことがありますが、その時に「アーーーー!」と、すごくガッカリした声を出してしまうのが日本人だそうです。その反応も選手に大きなダメージを与えてしまうそうなんですが、そもそも日本人というのはチャレンジを褒めないメンタリティーの持ち主なんですって。言われてみると野球でもボール球を振ったり、必死にボールを取りに行ってエラーをした時、「アーーーー!」という声をよく聞きますが、ここは選手だけではなく、そこに関わる人たちが一緒に成長しないといけないところだと言われていました。
では、どうするべきなのかというと…
失敗してもそれをチャレンジの結果の失敗だと捉えるのではなく、日常の事だと捉えていく練習が必要だと仰っています。
どういう事かというと…
そもそも日本人というのは「もっとチャレンジしろ!」と言われてもチャレンジできない遺伝子を持っています。ですから「もっとチャレンジしろ!」と言ったところで大した効果はないので、全ての出来事を想定内にしておいて「当たり前の失敗である」「当たり前のチャレンジである!」と思い込む練習を指導者も選手も観客もずっとやっていくべきだと。それが日本人に適したトレーニング方法なんですって。ですから、そもそも『チャレンジ』という言葉を使うこと自体が日本人の脳にはよくないことなんだそうです。
そして、こんな実験が紹介されました。
どうすればネズミが左に行くことを覚えるのかという実験です。
①にはアメ(エサ)とムチ(電流)を用意しています。
②にはアメ(エサ)だけ。
③にはムチ(電流)だけ。
これを指導に例えると…
①は褒める(アメ)こともあれば叱る(ムチ)こともある。
②は褒める(アメ)だけ。叱りません。
③は叱る(ムチ)だけ。褒めません。
さあ、どうでしょう。
どの指導を受けたネズミが左に行くことを覚えたと思いますか?
ぜひ、考えてみてください。
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正解は…
②なんだそうです。
多くの人は①のようにアメとムチの両方あった方がいいんじゃないかと思うそうですが、これを実際にすると電流があるのでネズミが入り口から動かなくなるそうです。要するにここから動かなければ電流のショックを受けることがないと判断して動かないんですって。これって…。なんか…。日本の子供たちみたいですね。チャレンジしたら怒られるからチャレンジしないみたいな。
そんな使えない選手を育てたくなかったらどうすればいいのかというと②のように…
アメとムシ(無視)だそうです。
うまくいった時、成功した時は褒めてあげればいい。うまくいかなかった時は何もしない。無視する。そうすると子供は「今日、先生は何も言わなかったな…」と感じて考え始めるそうです。ところが怒ってしまうと何も考えなくなりますし、動かなくなるんですって。
これ、指導の参考になりますよね?
では、また。
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