ピッチング

”遊び”がなければ20勝投手は生まれなかった

こんにちは。
ベースボールバイブルの東です。

ジャイアンツで選手・コーチ・育成監督・スカウトで44年間選手を見てきた上田武司氏が書かれた『一流になる選手・消える選手』という本があるんですが…

プロ野球スカウトが教える 一流になる選手 消える選手 (祥伝社黄金文庫)

この本に2年連続20勝をしたジャイアンツの大エース・斎藤雅樹氏の話が書かれているので紹介します。

”遊び”がなければ20勝投手・斎藤雅樹は生まれなかった

二軍に新人が入ってくると、首脳陣やコーチの間には3カ月から半年は、ピッチングスタイルやバッティングフォームに手をつけないという暗黙の了解がありました。

高校・大学でずば抜けていたといっても、プロのレベルから見ると、見劣りがして修正したくなりますが、選手自身がどう考えているか見守る必要があり、その猶予期間に、性格や適性も見ようとするのです。

コーチには我慢の日々ですが、これが思わぬ結果に結びついたのが、後の20勝投手・斎藤雅樹でした。高校時代の斎藤はオーバースロー、正統派の投げ方をしていましたが、練習の息抜きのとき、サイドスローで投げているのを見ると体のバランスがものすごくいいのです。

ピッチャーも守備練習を兼ねて内野ノックを受けることがあり、そこでもサイドスローから見事な送球をしていました。それを見たあるコーチは、「斎藤をショートで使えば、10年はショートを取らなくていい」と絶賛したくらいうまかった。

ピッチングコーチが上から投げさせてみると、あまりバランスがよくない。内野にコンバートされるのではないかとヒヤヒヤしていたピッチングコーチは、横から投げるといい球がいくのはわかっていたので、試しに「斎藤、横から投げてみろ」と促し、斎藤がその通りにしてみると、ボールに伸びが出るだけでなくキレもある。

それをきっかけにサイドスローに転向、20勝投手、そして巨人の大黒柱のひとりになりました。もちろん、野手になっていても大成していたでしょう。それくらい素晴らしい素材でした。

ちょっとした遊び心が思わぬキッカケになったりするんですから野球人生というのはわからないものです。ですからいろんなことにチャレンジしてもらいたいなと思います。

そういえば去年、甲子園で活躍した木更津総合の早川投手は高校に入学した時は外野手だったという話も聞きました。そんな早川投手が打撃投手をしている姿を見た監督がピッチャーとしての可能性を感じてピッチャーに転向したそうです。その選手が甲子園で活躍して、日本代表にも選ばれて、次はプロ野球選手になるんじゃないかと言われてるんですから野球人生というのは本当にわかりません。

なので野球ができる限りは何かしら可能性を探して頑張って欲しいなと思います。

では、また。

 

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